行動診療科専門外来~犬や猫の認知症から問題行動まで~

行動診療科専門外来~犬や猫の認知症から問題行動まで~

診療外来 認知症 問題行動 

 

 

(最終更新日:2020年8月16日)

 

留守番できない、異常なまでに怖がり、家族に対して噛みつく、尾を追ってくるくる回ることがある、、、

こういった家族が困る行動を、「問題行動」と言います

問題行動は育ってきた経歴・現在の環境・家族のライフスタイルなど様々な要因が関わって生じ、解決に必要な方法は犬や猫それぞれで異なります。

なかにはお薬を使って治療したほうがスムーズに改善するものもあります。

解決できる問題行動

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  • 唸る、噛むなどの攻撃行動
  • 留守番ができない →分離不安の可能性があります
  • 尾を追って回り続ける →常同障害の可能性があります
  • トイレの場所以外で排泄する
  • 高齢で周りのことが良く分からなくなった →認知症(認知機能不全)の可能性があります
  • 雷・花火の音を怖がる

攻撃行動の原因

攻撃行動の原因として、かつては「自分を人間より偉いと思っているからだ」と言われていましたが、現在では犬や猫は人に対して順位付けをしてはいないと考えられています。「人が上」という順位を理解させようとして体罰や怖がらせるようなしつけを行うと、逆に攻撃が悪化してしまったり、動物と家族との絆が壊れてしまったりすることがあります。

犬や猫が唸る、噛みつく、ひっかくなどの攻撃行動をとる理由はさまざまです。よくあるケースは、不安や恐怖を感じて攻撃する、何かしたいのにできない葛藤から攻撃する、自分の物を守ろうとして攻撃する、攻撃したい相手に直接攻撃できずに近くにいる人に攻撃するなどです。攻撃の理由ごとに治療法はことなります。まずは攻撃行動の原因を診断することが重要です。行動診療専門外来では、攻撃行動の原因を診断し、個々の動物に合った治療方法を提案いたします。攻撃行動は徐々に悪化することが多いです。早めにご相談ください。

分離不安

飼い主と離れたときに、強い不安を感じ、吠える、物を破壊する、トイレ以外で排泄する、吐くなどの行動をとることです。飼主が離れていることに馴れていない、飼主と動物の間に過度な愛着関係がある、早期に親元から離された、突然生活環境が変わった、などが原因で生じます。

常同障害

特にその行動をする理由がないはずなのに、同じ行動を異常なほど繰り返し続けることを常同障害といいます。よくみられるのは尾を追ってぐるぐると回り続ける、手や腹部をなめ続ける、布類に執着し噛んだり食べたりする、影や光を追いかける、空気をぱくっと食べるような行動をするなどです。ストレスや葛藤が関連していることが多いです。

排泄の失敗

犬や猫が決められた排泄場所以外で排泄してしまうのは、トイレトレーニングが不十分でトイレをきちんと理解できていない、トレイ環境に動物が何らかの不満がある、マーキング行動、分離不安からの行動、認知機能不全症候群による行動、腎臓や膀胱に異常があるなど、さまざまな理由で起こります。叱ると見つかりにくい場所に排泄するようになることがあります。叱らずに、なぜ排泄場所以外で排泄するのかを見極め、適切な対処法を実施しましょう。

認知症(認知機能不全症候群)

高齢の犬や猫は加齢により人の認知症と似た状態になることがあります。症状としては、家族に対して甘えなくなる、部屋の構造や家族を認識できなくなる、うろうろ歩き回る、部屋の隅や家具の間で行き詰る、昼によく寝て夜活動する、夜鳴きをする、排泄の失敗をするなどがみられます。脳の加齢と、不適切な環境や身体の痛み、不調などのストレスが重なって生じると考えられています。徐々に進行し家族にとって大きな負担となることがあります。できるだけ早く治療的介入を行うことが重要です。

このほか、過度に吠える、過度に皮膚や毛を舐める(むしる)、雷を怖がる、音に異常に敏感なども、行動治療の対象になります。お気軽にご相談ください。

問題行動の要因

問題行動は遺伝的要因と生後の経験や環境の要因とによって生じます。具体的には、

  • 犬種/猫種特有の気質
  • 社会化が不足していた
  • 叱られることで悪化してしまった
  • 運動や遊びの量が足りていない
  • 引っ越しなどの環境の変化
  • 周りの環境からの刺激が強すぎる
  • 周りの環境が不安定すぎる
  • 恐怖体験によるトラウマ

などが影響します。また、甲状腺機能亢進症/低下症、門脈シャント、てんかん、脳神経疾患などの病気、身体の不調や不快感によっても問題行動がおこることがあります。動物病院の行動診療科で治療を行う場合、これらについても調べながら、治療をおこなうことができます。

行動診療科で使用するお薬

抗不安薬

クロミカルムやフルオキセチンといった抗不安薬には脳内のセロトニン量を調節し、不安をやわらげる作用があります。恐怖や不安が関連する問題行動(分離不安、常同障害、恐怖による攻撃行動、全般性不安障害など)で使用することがあります。

この他、催眠効果のある薬や、一時的に気持ちを穏やかにする薬、サプリメントなども使用することがあります。

行動治療のメリット

  • 問題行動を治療すると、動物もご家族も穏やかな気持で暮らせるようになり、毎日がより楽しくなります。
  • 問題行動をする動物は、多くの場合ストレスを抱えています。問題行動の治療は動物のストレスを見つけ、解消してあげることに繋がります。
  • 問題行動による近隣トラブル、対人トラブルを減らすことができます。
  • 問題行動があると病気になったときに「動物病院に連れていけない」「入院していられない」などのトラブルを生じ、他の病気の治療の妨げとなることがあります。若いうちに早めに行動治療を行っておくと、このようなトラブルを予防できます。

行動診療科受診の流れ

(1)ご自宅で問診表を記入

・行動診療科を受診される方は事前にこちらをご記入の上、診察時にお持ちください。

                                           犬の問診表            猫の問診表

※認知症の様な症状がある場合は上記質問用紙に加えて、以下の2つのチェックシートもご回答ください(犬は1と2、猫は2のみご回答ください)。  

                         認知症チェックシート⑴       認知症チェックシート⑵

(2)一般外来診察を受診

まず身体検査を行います。また行動カウンセリングの日程をご相談します。

※遠方の方は(2)身体検査と(3)行動カウンセリングを同日に実施することも可能です。ご相談ください。

(3)行動カウンセリング(1~2時間)

問題行動治療を専門とする獣医師が、詳しい経過の話をお伺いし、それぞれにあった治療プランを組み立てます。お薬が必要な場合は、血液検査で内臓系に異常がないかを確認します。

(4)カウンセリング再診(30分~1時間)

週1回~月1回のペースで治療経過の確認と修正、次のステップの指導などを行います。

治療期間中

一般的な治療期間は、半年から1年です。ただし生涯に渡り治療が必要な場合もあります。

 

ペットの行動にお困りの方、関内どうぶつクリニックの行動診療科で獣医師と一緒に治療しませんか??

少しでもこの記事を読んで該当する事があれば、当院までお気軽にご相談下さいませ。

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